本業で仙台を支える ~未来に伝えるメッセージ~

公益資本主義とVSOP運動

私は会社というものは、「社会の公器」であると考えています。すなわち「社員」のものであり、「顧客」のものであり、そして「株主」のものであり、「取引先」のものであり、「地域」のものなのです。このようにステークホルダー全てを、社会全体を大事にすることによってのみ、企業は利益を永続的に得ることができ、結果として出資をしてくれた株主にも利益を返すことができるのです。日本では古来、こうした考えに則って商売が行われていました。私はそういう本来あるべき経営の在り方にもう一度、しっかりと目を向けていくことが、いまこそ必要であると確信しています。

これから世界経済の中心となるべきは、米国型の株主資本主義でも中国型の国家資本主義でもありません。日本が古くから大切にしてきた、社会全体の利益を考える資本主義、「公益資本主義」であると考えます。

そのため2014年に立ち上げたのが、私が会長を務める公益資本主義推進協議会です。公益資本主義について学び、実践していこうと多くの経営者に賛同いただき、現在およそ500社が会員として所属して、さまざまな活動に取り組んでいます。

そんな中、田坂広志さんから日本青年会議所が推進するVSOP運動について教えていただきました。公益資本主義の理念に非常に親しいことに賛同し、全国の会員が行っている活動の中から28の案件をエントリーさせていただきました。

昨年は、全国から集まった数ある案件の中から、当協会宮城支部の会員企業・スプランディッド ブランシュ(代表:柳谷 理花 http://www.s-blanche.com/)による「児童館、小学校 手芸ボランティア活動 自分作り教育」を、優秀な取り組み事例として選出していただきました。とても栄誉あることで、誇らしく思います。

今後も継続してこの運動に参加させていただき、この公益資本主義という考え方や実践活動について、一人でも多くの方に知っていただくきっかけになることを期待しています。

来年は、今年より多くの案件を提出し、会員企業の取り組む社会貢献活動をたくさんの方に知っていただけることを期待しています。

株式会社フォーバル 代表取締役会長 大久保 秀夫

1954年、東京都生まれ。國學院大學法学部卒業。1980年、25歳で新日本工販株式会社(現在の株式会社フォーバル東京証券取引所市場第一部)を設立、代表取締役に就任。1988年、創業後82ヶ月という日本最短記録で史上最年少(ともに当時)の若さで店頭登録銘柄(現JASDAQ)として株式を公開。2010年、社長職を退き、代表取締役会長に就任。会長職の傍ら、講演・執筆、国内外を問わずさまざまな社会活動に従事。カンボジアにおける高度人材の育成を支援する「公益財団法人CIESF(シーセフ)」理事長も務める。さらに、NPO法人元気な日本をつくる会理事長、一般社団法人公益資本主義推進協議会代表理事、東京商工会議所特別顧問・中小企業国際展開推進委員会委員長なども務めている。『「社長力」を高める8つの法則』(実業之日本社)、『在り方』(アチーブメント出版)など著書多数。

株式会社フォーバル

仙台創生

読者の方々が経営を「継ぐ側」あるいは「継いだ側」であれば、どちらかといえばM&Aの「買い手」に回ることが多いでしょう。しかし、「こういう会社を買いたい」と考える一方で、「業界再編と大手への集約が進むなかで、果たしてウチは単独で生き残れるだろうか」と先行きに不安を覚えている社長さまも少なくないと思います。最近ではM&Aの譲渡企業側が30~40代の若手経営者であるケースが著しく増加しています。大手グループと資本・業務提携し、その傘下に入ることで知名度や信用を向上させ、新規取引先を獲得し、優秀な社員を引きつけて成長を確かなものにしようという戦略眼に基づく判断です。地方の若手経営者がM&Aを「成長戦略のための戦略的打ち手」と捉え、首都圏企業との提携関係を活用して業績を伸ばし、雇用を増加させていくことが地域経済の活性化につながります。

前号に続いて、今号では「これから会社を継ぐ後継者、あるいはすでに先代から継いだ社長さま」の視点に立って、【自社を成長させるためのM&Aを検討する「前」に知っておいていただきたいポイント】をお伝えします。

自社を成長させるためのM&Aを検討する「前」に知っておいていただきたいポイント

1. その M&A、自社株式の価値にどう影響しますか?

「ウチはすでに事業承継した」とおっしゃるオーナー社長さまでも、「社長の座を後継者に譲った」だけにとどまっており、「保有している株式を後継者に譲る」ところまで完了しているケースは多くないようです。自社株式の承継はこれからという場合、後継者がM&A(買収)を決定すると自社の株価をなるべく下げておきたいという狙いに反することもあります。M&Aで買収した会社によってもたらされるシナジー効果によって買い手企業の売上・利益が増加すれば、「企業価値(株価)」も上昇します。つまり「これから自分が購入しようとしているもの(自社株)の値段を、購入前に自分で引き上げてしまう」ことになるのです。M&Aによる成長戦略実行とともに、「株価が安いうちに、自社株を先代から譲ってもらう」準備もしておくのが賢明です。

2. M&Aアドバイザーを有効に使うコツをご存知ですか?

「よい会社があれば、買収を検討するからどんどんもってきて欲しい」のに、「なかなかよい案件情報が入ってこない」というお声をよくお聞きします。M&Aアドバイザーのもっている案件情報やネットワークをうまく活用するには、「買収によって獲得したいもの」を明確に伝達することが大切です。営業の地域・エリア、業種、売上規模、買収金額の規模感、シナジー効果が発揮できる領域など、相手方に求めるものが特定できているほど、マッチングのアイデアが生まれやすいからです。実現可能性はさておき、「たとえば〇〇(会社名)のような会社」といったターゲット(対象企業)を具体的にイメージしたご相談は、上手な「オーダーの出し方」といえます。

3.買収後の従業員への配慮と買収統合策(PMI)

「買収後に役員や重要な従業員が会社を去ってしまう」のは避けねばなりません。買収完了後に、すぐさま買い手側企業の流儀で業務プロセスや人事評価方法などを押し付けようとすると、これまで実績を上げてきた社員から反感を招き、彼らが一斉に退職してしまうこともあります(リテンションの失敗)。株式取得直後の従業員へのメッセージを入念に練り、適切な「移行期間」を設け、相互理解を重視して統合作業(PMI;Post Merger Integration)に臨みましょう。オーナーが変わって不安を感じる従業員の気持ちとその会社の企業文化をまず尊重してください。

松橋社長プロフィール

ヒューレックス株式会社 代表取締役社長 松橋 隆広
まつはし・たかひろ 1963年青森県生まれ。1986年山一證券㈱入社。2003年ヒューレックス㈱設立、2013年マリッジパートナーズ㈱設立、2016年東日本事業承継推進機構㈱を設立し、それぞれ代表取締役社長に就任。事業承継の総合的な支援を行っている。

ヒューレックス(株) マリッジパートナーズ(株)

宮城県倫理法人会×公益社団法人仙台青年会議所

本号は宮城県倫理法人会会長の守末紀生氏にお話しをお聞きしました。

明るく積極的な挨拶、約束や時間を守るなど、日常生活で大切にしなければならないルールがあり、それを支えるのが倫理観です。その倫理を会社経営に活かし、企業の繁栄や地域社会の発展を目指しているのが倫理法人会です。宮城県倫理法人会は本年度設立30周年を迎え、会員数3,000社を目標に活動を展開しております。

倫理法人会とは、倫理観を大事にして会社経営をしていくための経営者の勉強会の場です。「家庭・会社・社会」のバランスがとれた生き方、経営の在り方を勉強しております。「家庭」が健全でなければ経営はうまくいかない。「会社」で社員さんがいきいきと働いてくれる会社づくりをしなければならない。「社会」に貢献する活動をする。これを勉強し、実践することが私たちの責任であり、万人が幸福になることだと考えております。

そのためにも、実行によって直ちに正しさが証明できる純粋倫理を基底に、経営者の自己革新をはかり、心の経営をめざす人々のネットワークを拡げ、共尊共生の精神に則った健全な繁栄を実現し、地域社会の発展と美しい世界づくりに貢献していきます。

主な活動としては、まず「経営者モーニングセミナー」があります。週1回、朝6時から行っております。セミナーでは一般会員が講師になり倫理経営にどう取り組み変わったかを講演したり、会員ではないさまざまな職種の方をお呼びして講演していただいたりしております。またセミナー後の朝食会では質疑応答やコミュニケーションの場となっております。

次に「活力朝礼」です。これは朝礼で、元気を出し、仕事をする上で心をひとつにしようという活動です。気持ちや心は形として見えませんので、お辞儀の仕方や立ち方、返事に統一性を持たせしっかりと行っています。これを自社の朝礼で実践することにより、積極性や活力を養うことができます。

次に倫理経営塾を開催しております。半年かけて倫理経営を学ぶ塾です。月に1度、1泊2日で実施しております。倫理と経営を合体させ、バランスのとれた経営者を育てていこうという宮城県倫理法人会独自の活動です。魂のこもった経営理念を創り、会社経営に落とし込んで実践していきます。

設立30周年を迎えている本年度、宮城県倫理法人会の活動基本方針は、

1、さらなる“新”へ・・・世代をつなぐ柔軟かつ堅固な組織づくり

2、2つの新単会設立・・・全員参加による堅実な普及活動

3、人づくり・・・気骨ある倫理経営者の育成

です。ゆるぎない組織づくりと人材育成。しっかりとした倫理経営をする企業づくりを行い、社会の繁栄に貢献していきたいと考えております。

最後に仙台JCの方々に言いたいことは、「一度こうと目的を定めたら、終始一貫やってやってやり抜くことが成功の秘訣」ということです。物事は簡単にできないことが多いものです。どんな小さいことでも一日一回、なにか同じことを毎日繰り返す実践で偉大な効力を発揮することができます。すばらしい家庭を築き、会社を繁栄させ、社会に貢献できるような人になってください。

宮城県倫理法人会

マツ散歩

芭蕉の辻

 

ここは仙台城の大手から城下を東西に貫く幹線大町と、南町国分町を通る奥州街道の交差する十字路に当たり、仙台城下の中心地でした。この周辺には大きな商家が軒をつらね、辻の四つ角は全て城郭風の高楼を備えた同じ形状の建物で、竜や兎や獅子の飾り瓦をのせた豪商の店が堂々とした姿を誇り、仙台名所として知られていました。名称の由来は、かつてここに芭蕉樹があった説、繁華な場所ゆえの「場所の辻」が訛った説、藩祖政宗が重用した芭蕉という虚無僧が一時住居にしていた説などがあり、定かではありません。仙台城の城下町の町割の基点とされ、辻には制札が掲げられたため当時は「札の辻」が正式名称でした。現在の芭蕉の辻は、日本銀行仙台支店、七十七銀行芭蕉の辻支店などがこの十字路に面し、金融街としての性格を残してはいるものの、商業的な中心からは外れてしまっております。

 

やさしく、つよい仙台娘

WATALISとは?

「WATALIS〈ワタリス〉」は宮城県亘理町の「WATARI」と“お守り”という意味の「TALISMAN」を組み合わせた造語です。長い年月をかけて培われてきた“感謝の心”“手仕事の技”“再生文化”という地域の宝を形にし、お守りのように大切に人から人へ手渡していきたいという思いを込めました。私たちは、宮城県亘理町に拠点を置き、アップサイクルによる伝統文化の伝承と発信を続けています。

日本の美しさとの出逢いを創り、幸せを世界につなぐ

WATALISは、箪笥に眠る古い着物地をリメイクし、再び世に送り出す「アップサイクル」に取り組むブランドです。亘理町の女性達が着物地の色や柄を活かしながら、ひとつひとつ丁寧に手作りし、長い歴史の中で培われてきた日本の意匠の美しさに新たな命を吹き込んでいます。“ものを最後まで大切に使い切る”という古き良き再生文化を受け継ぎ、縁起の良い文様に込められた人々の幸せを願う心を、沢山の人に伝えていきます。

株式会社WATALIS 代表取締役 引地 恵

宮城教育大学大学院教育学研究科卒業。大日本印刷株式会社勤務を経て宮城県亘理町職員となり、社会教育主事・学芸員として地域づくりや民俗調査に関わる。2012年3月に退職し、2013年4月亘理町に一般社団法人WATALISを設立。代表理事となる。2015年5月に株式会社WATALISを設立し、現職。亘理町史民俗編調査・執筆者。内閣府地域活性化伝道師。

株式会社WATALIS

色のしかけから持つべきビジネスの視点

「なぜ、高いとお客さまから言われるのか、よく分からない」
私のセミナー終了後に、そんな質問をしてきた若手経営者がいた。
詳細を聞くと、価格は競合他社と同じだと言う。気になったのは、黄色のPOPやのぼりを使用していたこと。
確かに、黄色には安価、親しみやすいという心理的な効果がある。店側には、お客さまとの距離感を縮めるにはちょうど良いだろう。
しかし、黄色の「安価」は、お客さまにとって「思ったほど安くない」と感じてしまう。これがクレームになった。
他の色にするか、価格を下げるか。
若手経営者は、今回のクレームで、色を見て変わるお客さまの反応を肌感覚で分かったとか。
お客さまの表面的な行動だけではなく、感情や心理も大事というビジネスで大切なことを学んだに違いない。

うえた さより プロフィール


集客コンサルタント、マーケティングプランナー
株式会社ローズ・ウェッジ 代表取締役
企業、自治体の集客に努める。コンサルティング、執筆、セミナー・講演業。集客に心理的アプローチを高めて売るという方法を生み出したのが特徴であり、これからの売りづらい時代に必要だと説いている。著書に「たった1秒の『イメージ色』で行列店に変わる」(経済界刊)がある。

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