はじめに

67年目を迎えた仙台JCは、高い志と行動力を持った先輩諸兄姉によって、まちづくりやひとづくりを通して様々な運動が展開され、今日まで歴史を積み重ねてきました。
2011年3月に東日本大震災で大きな被害を受けた私たちは、住み暮らすこの地域が1日でも早く復旧・復興するため、発災当初から青年として積極的な活動を続けてまいりました。そして、仙台JCは2011年に「IMAGE 2021’S SENDAI」という震災から10年後の未来へ向けて行動するためのフラッグを掲げました。私たちは2021年の仙台が、理想とするまちへと復興を成し遂げるため、そしてこの地に生まれ、この地で育つ子どもたちのため、単なる傍観者ではなく当事者意識をもって、全国、全世界からいただいた支援への感謝の気持ちを決して忘れることなく、希望に満ちた未来を思い描くことができる地域を取り戻す責任があります。そのような気概をこのフラッグに込めています。私たち一人ひとりが2021年のしあわせな未来を心に描き行動することが、明るい豊かな社会の実現へと導くことになるのです。
仙台JCはこのフラッグに込められた想いの実現のために「LOM中長期ビジョン」の策定をいたしました。単年度制であるJCは、その年の指針である理事長所信の下に様々な運動を展開してまいりますが、その前提には定款に定められたLOMの目的があり、めざすべき「明るい豊かな社会」があります。今回策定したLOMビジョンは目的を達成するための大きな柱であり仙台JCの会員が共有し進むべき方向性です。
このLOMビジョンは、長期的視野の中で2021年に「しあわせを共感できる仙台の実現」をめざしています。また「社会・個人・国際」の分野で構成され、それぞれの具体的手法ではなくあるべき姿をあらわしています。そして、その性質は不変的ではなく、必要に応じて各分野の現状把握を行いブラッシュアップすることで、より確立されたものになっていくと考えます。
仙台JCが、中長期的な視野を持つLOMビジョンを掲げることで、より大きな運動の展開を進められるものと考えます。そしてLOMビジョンが次年度以降の運動の方向性となり、「しあわせを共感できる仙台」の実現に向けての道標となることを祈っております。

個人

利他の精神で積極的に地域やひとのしあわせを考え、能動的に行動できるJAYCEE

市民一人ひとりが自分たちの住み暮らす地域に愛着を持ち、誇りを感じることができるまちは市民意識の高いしあわせなまちです。私たちは、地域における青年経済人として、愛着を持てる地域や誇りを感じられることとは何かを常に考え、そこに住む人のために能動的に行動を起こせる存在でなければなりません。
地域のリーダーとなるべく活動をする私たちは、自らが率先して行動することによって、市民に影響を及ぼし前向きな変化を与えることを求められています。公(おおやけ)とは、個人の立場を離れて全体に関わることです。私たちに必要とされるものは、個の利益よりも公の利益を優先することに価値を感じる感覚です。しかし、公に関わるときに大きな力を発揮するためには、日頃から魅力的な個(個人)になる努力を惜しまず、常に自分の人間力を磨くことを忘れてはいけません。そして、JAYCEEとして、自分たちのまちのために確固たる意志を持って先駆的に取り組む力が必要です。さらに、会員の連携と指導力の啓発というLOMの目的を達成するために、事業や例会を通して質の高い会員の育成と強固な組織づくりに努めます。先行して個人力の向上を図り、そこからさらなる会員同士の連携を複合的に促すことで組織力の強化につなげます。
様々な魅力を持ったひとが集まる青年会議所は、会員相互の連携によってその力の相乗効果を発揮します。一人ひとりが個人の修練によって全体の力を向上させ、意識を高く持ち行動することで、私たちは「しあわせを共感できる仙台」を実現します。

社会

感謝と思いやりの心に溢れ安心とゆとりに包まれたまち

今日の社会は、個々の権利と主体性を重んじる個人主義の本質を見失い、利己主義的かつ無関心が蔓延する社会となりました。震災を契機に、自己のためだけではなく、損得も含めて相手の立場を尊重し、お互いが心を通じ合わせ、相手を敬うという、本来日本人が有していた尊い精神性が再確認されました。
仙台というまちを構成するのは、そこに住み暮らす市民です。私たちがめざす仙台とは、市民が互いに感謝と思いやりを持ち、互いを認め合うことです。そのためには、市民自らが個々を尊重し、町内会などの地域コミュニティを考え、能動的な行動がとれる市民力を持ち合わせた市民が必要となるのです。また、将来そのような市民を育むためには、人としての価値や意味、郷土を愛する心を育むことも必要です。それは、国の教育振興基本計画や仙台市の基本計画にもあるように、子どもの家庭や教育現場での道徳的環境による心身の教育を進めることです。また、行政と市民はもとより地域間が連携をもって、仙台というまちを構築していく必要があります。私たちは、協働を前面に掲げる仙台市と連携し、青年会議所だからこそできる運動を展開していくことが必要です。そして、そのような機会を提供し、連携と協働を推し進め、感謝と思いやりに溢れたより良い人間関係と社会を構築していきます。そこから波及する市民意識の高まりこそが、私たちの運動であり、めざすべき仙台の姿だと考えます。
市民が感謝と思いやりの心を持ち、互いに心を寄せ合い、安心して生活ができる社会を構築していくことで、私たちは「しあわせを共感できる仙台」を実現します。

国際

友情と感謝の心を持つことで実現する国際力

国際化社会と叫ばれて久しい今日、私たちの住み暮らす仙台は多くの外国人との交流を持つことができる都市に成長してきました。しかしそれは、行政の取り組みやインフラの整備に依るところが多く、市民が積極的に関わることができる国際交流の機会が増加したとは言い切れません。私たちは民間外交の担い手としての役割を今まで以上に果たすため、国際力を持って運動を推進していく必要があります。
世界中の人々との信頼関係を築く民間外交を推進しながら、世界に誇れる日本文化を発信するために、メンバーに世界会議やASPACなどへの参加を促し、JCの特徴でもある国際の機会を多く創出します。そして、私たちは国際的視点で行動できる担い手を育むため、次世代を担う若い世代が、共に学び、友情を育む機会を創造する必要があります。また、そのためにも必要とされる一つとして姉妹JC交流を増進し、友好的関係を今まで以上に構築し、経験から得られる会員の国際力強化がLOMにとっての大きな財産となっていくと考えられます。人間は一人ひとりが違う個性を持ち、かけがえのない存在であるからこそ、相手を受け入れる心を持つことが必要ではないでしょうか。世界の人たちと交流するということは、価値観や文化など様々な違いをより明確に感じることができる機会であり、その違いの中で、お互いの価値観を尊重し、相手を受け入れる心を持って接する事で、相互理解やお互いを思いやる気持ちが生まれます。またその心から自己の確立や国や郷土の愛情にも繋がり、グローバルな視点や感覚が育まれると考えます。そのような人材を一人ひとり増やし広げていくことが明るい豊かな社会の創造に繋がると確信します。
東日本大震災を経験した私たちだからこそ、東北から感謝の気持ちを世界に発信し、市民とともに国際貢献に取り組み、世界の人々との相互理解を深めることで未来志向な信頼関係を構築していきます。そしてメンバー一人ひとりが友情と感謝の心を持つことで実現する国際力をもって、私たちは「しあわせを共感できる仙台」を実現します。
※国際力とは、ボーダレス化した地球社会において、JAYCEEが他に先んじて行動するために必要な力